【地理探究】アフリカの国の経済

こんにちは。木原です。

10月15日に、中学生教科書探究10月第1回を実施しました!

テーマは「アフリカの国の経済」

中1社会(地理)「アフリカ州」の単元からのテーマ選定となります。

教科書探究とは?

勉強はつまらない…

やりたくない…

と、思うことはありませんか?

テスト勉強、受験勉強、学校の宿題、・・・大変ですよね。

もちろんこうした勉強は大切なのですが、本来は、自分で興味をもって調べたり考えたり、実験してみたりしながら知識や経験を得ていくことこそ、本質的で楽しい学びでなのではないかと思います。

教科書探究では、教科書の内容に対して問いを立て、調べたり考えたりするとともに、議論や発表を行う探究型ワークショップです。「テストに向けてとにかく暗記」となってしまいがちな中学生の勉強内容は、実は深堀してみるととても面白いもの。そこに少しでも興味を持ち、楽しんでもらうことで、学校の勉強が今までよりも楽しくなればと思います。毎月2回、社会と理科をそれぞれ1回ずつ扱っています。

今回のテーマについて

先日、教科書探究に参加してくれている生徒さんの中学校で定期テストがあり、社会のテストでこのような問題が出ていました。

アフリカ州の国々が経済的に自立し、豊かな国へと発展するために必要なことは何だと思うか、資料16~19を参考にして、あなたの考えを述べなさい。

ここで言う「資料16~19」というのは、以下の4つ。

  • アフリカの鉱山資源マップ
  • アフリカ各国の主な輸出品グラフ
    (ボツワナは「ダイヤモンドが89.8%」など)
  • ナイジェリアの輸出総額と原油の輸出額
    (輸出総額の大半を、原油の輸出額が占める)
  • 原油価格の推移
    (この増減の動きが、ナイジェリアの輸出総額の増減とリンクしている)

つまりアフリカには特定の品目に大きく依存する「モノカルチャー経済」となっている国が多いというところがポイントとなります。

定期テストの性質上仕方のないことではありますが、「あなたの考えを述べなさい」という自由記述の形式になっているものの、これは実質「モノカルチャー経済」に触れて書きなさいという指示といえると思います。しかしアフリカ州と言えば、この先数十年で世界の市場の一角を担うようになる重要なエリア。各国の企業が競って投資する未来ある地域であると同時に、SDGsの項目にも挙げられる貧困問題などが深刻なところでもあります。これほどの良いテーマ・問いかけ、きっとこの問題を出題した社会の先生も、本当はもっと深く、もっと自由に、中学生に考えてもらいたいと思っていることでしょう。ということで、今回はこのテストの問題をそのまま引用させていただくことにしました。

インプット

紛争の問題

アフリカを取り巻く大きな問題の1つである紛争。それ自体で大きな損失を生む要因であり、国の経済成長を妨げる障壁となっています。一刻も早くなくしていきたいものですが、戦っているそれぞれの勢力に譲れないものがあり、また争いが生じることで利益を得る人もいる。それゆえ中々なくならず、本当に難しいところです。また仮に停戦をしても、そこには武器と争いの火種が残ってしまうため、いずれまた再開されかねません。

奴隷貿易の歴史

また、アフリカの経済状況の考察の中に、過去の奴隷貿易と現在の貧困には相関関係があるというお話もあります。「発展途上国」は世界中にありますが、過去に奴隷貿易が盛んにおこなわれていたアフリカの国は、世界の他の発展途上国に比べてより貧しい傾向があるそうです。

アフリカの今後

アフリカには「アフリカ連合(AU)」というEUのアフリカ版の組織が存在します。EU同様アフリカの国々によって構成される、世界最大級の地域機構です。当然ながら経済面での協力もあります。2050年には世界の4人に1人はアフリカ人になると予想されています。経済的なプレゼンスもアフリカトータルではEUに次ぐ大きなものです。そんなアフリカには海外から企業がどんどん進出しており、この先も急激に経済発展していくことが見込まれます。ちなみに、日本企業もどんどん参入していければ良いのですが、中国企業との競争に負けてしまっている状況のようです…。

参加者の発表・感想

中1の参加者

アフリカの人たちが働きやすい、過酷でない仕事を増やしていく。参入してくる企業で働けるようにする。

ファシリテーター

ちゃんと稼げる仕事をできるようにするということだね。大事なことだと思います。アフリカの人が自分たちで起業して稼ぎ、自分たちのところにお金が入ってくる仕組みを作れたら一番良いのでしょうね。

中1の参加者

貧しいため子供も働かざるを得ず、学校に通えないということを聞いたことがある。医療体制や教育システムを整えることが重要だと思う。我々にできるのは、募金をするなどしてお金を支援し、学校を作ることだろうか。

中1の参加者

中間テストで出てきたところを復習する良い機会となりました。またアフリカ州の国々が自立し、豊かな国へと発展していくために必要なことを、改めて考えられて良かったと思います。

学校の地理の授業では、世界の各地域のことはそれぞれざっと概要に触れ、重要な用語を覚えていくだけにとどまってしまいがちです。ですがこうして関心をもって考えてみると、解決しないければならない問題が沢山あるとともに、(特に経済的な面で)我々日本の将来にも大きく影響しうるトピックだということが分かります。個人的に、「自分たちにできることは何か?」という視点での考えを出してくれたのがとても良いと思いました。金銭的な支援をするのはとても大事なことだと思いますし、将来的に自分で遠出できるようになったら、実際に現地に足を運び、見て学ぶ・考えるということもできるかもしれませんね。

地理に出てくる各地域の単元は、それぞれに色々な問いを立てて探究できる要素があると思いますので、また機会があれば扱っていきます!

次回、10月第2回は理科探究です。お楽しみに!

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