【理科探究】水に溶けるもの

こんにちは。木原です。

10月23日に、中学生教科書探究の10月第2回を実施しました!

テーマは「水に溶けるもの」

今回は参加してくれている中1生と一緒に、中1理科の「気体の性質」の分野に関して問いを立てて考えていきました!

教科書探究とは?

勉強はつまらない…

やりたくない…

と、思うことはありませんか?

テスト勉強、受験勉強、学校の宿題、・・・大変ですよね。

もちろんこうした勉強は大切なのですが、本来は、自分で興味をもって調べたり考えたり、実験してみたりしながら知識や経験を得ていくことこそ、本質的で楽しい学びでなのではないかと思います。

教科書探究では、教科書の内容に対して問いを立て、調べたり考えたりするとともに、議論や発表を行う探究型ワークショップです。「テストに向けてとにかく暗記」となってしまいがちな中学生の勉強内容は、実は深堀してみるととても面白いもの。そこに少しでも興味を持ち、楽しんでもらうことで、学校の勉強が今までよりも楽しくなればと思います。毎月2回、社会と理科をそれぞれ1回ずつ扱っています。

学校で習うことに疑問を持ってみる

問いを立てる、とは具体的にどんな感じでしょうか?

例えば歴史の授業では「信長が多くの敵を倒し、勢力を広げていった」と習います。テスト勉強では「ふ~ん、そうなんだな」と、そのことを覚えて終了となりがちですが、少し考えてみましょう。

  • 今川義元は圧倒的な兵力を持ちながらなぜ負けてしまったのか?
  • 武田勝頼は信長になぜ勝てなかったのか?
  • 室町幕府はなぜ倒されてしまったのか?
  • 浅井・朝倉連合軍は?
  • 仏教勢力も結構強かったはずだけど…?
    (実際信長は、彼らに打ち勝つのにだいぶ時間をかけています)

・・・

信長が勝ったという事実は教科書に書いてある通りですが、そこの背景については色々と考えを巡らせることができそうです。場合によっては、深く探究してみると、教科書の内容が間違えていたということもあるかもしれませんね。そこで以前実施したテーマが「信長はなぜあれほど強かったのか?」というものです。正解は1つではなく、色々な視点で考えられるでしょう。その回のワークでは「経済的な強さがあった」という意見も出てきており、当時高級品だった陶器の生産地を支配していたという面白い事実も話題に上がりましたが、そういった考察を通じて「なるほど、「楽市・楽座」にはそんな狙いがあったのか!」と思えたところがこの回の醍醐味だったのではないかと思います。こんな風に考えていくと、歴史が一段と面白く感じられそうですね!

また理科については、探究していくと、解明済みの難しい科学的事実にぶち当たることが多くあるため、自分で最後まで考え抜くというよりは事象の原因となる原理を知るなどして楽しむ、ということを重要視しています。またそういった中で、この教科書探究では「仮説を立て、検証してみる」という、サイエンスの基本的な流れを楽しんでもらいたいという想いから、答えを知る前にまず自分で予想してみるというプロセスを踏んでいます。

今回のテーマについて

先月の理科探究では「水に浮くもの」というテーマで、浮力と密度について考えていきました。教科書では

「密度が小さいものは浮く」

という事実を習いますが、そこに関する諸現象について問いを立てて考えた形となります。例えば「氷が水に浮く」という現象、よくよく考えると不思議ではありませんか?テストに向けては「水と氷だけは例外なのか~へ~」と覚えるだけですが、「なぜ氷は水に浮くのか?」などと問いを立ててみると、そこには面白い秘密が隠れていたりします。

そして今月は「水に溶ける」という現象に注目してみました。中1理科の化学分野には「気体の性質」について学ぶところがあり、その中に「水に溶けるかどうか」も含まれます。初めて習う時もそうですし、中3受験生になって復習する時に覚えるのが大変な難所の1つです。

ところで、こんな風に思ったことはありませんか?

  • なぜ、塩は水に溶けると透明になるのだろう?
  • 二酸化炭素は水に少し溶ける?水素は水に溶けない?
    (水って名前に入っているのに、面倒くせぇ…)

今回はこういった疑問について、その理由を探っていきました。

今回のテーマと、参加者の考察

今回はテーマに沿って以下の3つのことについて考えていきました。

1つ目は、小学生の頃に習った「水に溶けるものとそうでないもの」に関する問いかけです。

  • 泥水は混ぜても茶色いまま
  • 塩水は透明
  • 牛乳はまぜても白いままだけど、ろ紙ではろ過できない。これってどんな状態?

そういったことを探究していきました。

 

2つ目と3つ目は中1の教科書内容からです。

  • 二酸化炭素は少しだけ水に溶け、アンモニアはめっちゃ溶けるのはなぜ?
  • 水に溶ける気体と溶けない気体があるのはなぜ?
  • そもそも気体が水に溶けるってどんな状態?

といった問いかけです。電気陰性度や分子の極性など、結構専門的で難しい内容まで踏み込みながら、その理由を探究していきました。

参加者の考察・感想

まずは1つ目の問いについて。

塩が水に溶けると透明になるのは、小さく分解されるから。

これはお見事!正解でした。2つ目は、電子や周期表にも注目するところで、ちょっと難しかったですね…。

気体の重さが、溶けやすさに関係しているのではないか?

しかし自分が知っている知識の中で、自分なりの予想を立てたのはお見事でした。「気体の重さ」に着目したのは中々面白い視点だったと思います。

【感想】

1つ目の問いは以前学んだことがあったので知っていた。2つ目以降については難しかったが、知らないことを知れて良かったです。

改めて、テストで点数を取ることだけならここまで考える必要はありません。ですが、探究を通じて得られる

「おもしろい」

「へ~そうなんだ」

といった感覚が、何より価値あることなのではないかなと思います。
(印象に残って、テストに向けても忘れにくくなるでしょう)

今回もこうして考えることをきっかけに、知らなかったことに興味を持ち、自分で深く学んでいくきっかけになったり、学校の授業がさらに興味深く面白いと感じられるようになればと思います。

次回、11月第1回は社会探究です。お楽しみに!

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