【OIC】パレスチナ問題

こんにちは、木原です。

10月22日(日)に
OICワークショップ10
月第2回を実施しました!

テーマは「パレスチナ問題」
実は以前、
初めて私たちがOICワークショップを運営した時に
扱ったテーマなのですが、昨今の世界情勢について
改めて最新の情報に触れながら考える回としました。

今回の概要

パレスチナ問題の背景

日本の立ち場

自分事として考える

OICプログラムとは?

OICプログラムは、世界で起きていることや重要なテーマについて関心を持ち、自分で考え行動するきっかけになるとともに

  • 批判的・論理的に思考する力
  • 他者と議論する力
  • 自分で情報収集し、判断する力

を鍛えることを目的とした、主に中高生(一部小学生も参加可)対象のワークショップです。

パレスチナ問題の背景

パレスチナ問題について理解し考えるうえで
抑えておくべき様々な背景があります。

国とは何か?

はじめに。
の定義をご存じですか?

正解は

・領土
・国民
・主権
=自分たちのことを自分たちで決められる権利

が揃っていること、になります。

イスラエルは国として認められている
パレスチナは国ではない

のです。

イスラム教の国々

ワークショップでは、
はじめに次の内容についてリサーチし
発表してもらいました。

参加者の回答

小6の参加者

アフガニスタン

アジア大陸の中央部
同じ休日を祝い
同じドレスを装い
同じ音楽を聴き
ある程度多言語である

小6の参加者

インドネシア

フィリピンの斜め下らへん
石油
人形の芝居が有名
日本とは結構仲が良い

中1の参加者

スーダン

中東や北アフリカ
豚やアルコールを食べてはいけない
日本とは仲が良い

中1の参加者

エジプト

北アフリカにあり、石油がとれる
日本とは仲が良い

中2の参加者

エジプト

アフリカ大陸北東部
第一次産業のほとんどが農業
日本とは強い友好関係

エジプトは
今回テーマになるガザ地区と国境を接しています。

中3の参加者

カタール

ペルシャ湾の下あたり
鉱山資源が豊富で
石油や天然ガスもとれる
日本とは良好な関係

中3の参加者

タジキスタン

中央アジアに位置し
中国・アフガニスタン・ウズベキスタンに囲まれる。
劇場や有名な政治家を排出することで有名。
日本との関係はまあまあ良い。

大人

ブルネイ・ダルサラーム国

東南アジア・ボルネオ島に位置する位置
国教はイスラム教 82.1%
主要産業は石油、天然ガス
⇒輸出先2位が日本

歴史的背景

そもそもなぜパレスチナ問題が起きているのか。
その歴史的背景を皆で学びました。

分かりやすくまとめている記事があるので
詳細はそちらもご参照ください。

簡単に整理すると以下の通りです。

歴史的背景

・祖国を滅ぼされたユダヤ人たちは、流浪の旅の末、神との約束の地パレスチナに辿り着く

・しかしローマ帝国の侵攻でこの地も追われ、以降世界各地に散らばって生活

・パレスチナにはアラブ人が住むように

~時代は変わって19世紀頃~

・ユダヤ人たちの間で
「祖先の地に自分たちの国を作ろう」
という運動が起こる

・第二次世界大戦中の迫害もあり、国際的にも同情的な空気が生まれた

・イギリスの仲介もあり、1948年にアラブ人が住んでいた土地にイスラエルを強引に建国

・長らく住んでいた土地を追われたアラブ人とそれを支援する周辺国(例:エジプトなど)と、イスラエルとの間で4度の中東戦争
⇒アラブ人が難民に(パレスチナ難民)

最近の出来事

度々ニュースで耳にする「ハマス」は、
パレスチナのうちガザ地区を実効支配する組織です。
ガザ地区には、
約50km×約8-10kmの細長い地域に
約220万人が暮らしています。

今、ニュースになっている一連の出来事について、
日本のメディアで詳しく報道されるところの発端は
ハマスのロケット弾による大規模攻撃。
それをイスラエル側は「戦争状態」と認定し
空爆による報復を行いました。

そういった中でアメリカは
イスラエルの行動は自衛のためと全面的に同意。

これはアメリカの政治や経済に対して
ユダヤ人が大きな影響力を持っているためです。

国連安保理では
イスラエルによる攻撃を非難し
即時停戦を求める決議をしようとしましたが
アメリカがこれに対し拒否権を発動しています。

イスラエルとアラブ諸国との関係は
近年、UAEやバーレーンが国交を正常化し
サウジアラビアとも平和条約締結に向けて
前進していた面がありましたが、

今回の件はそれを白紙に戻してしまう重大な出来事です。

日本の立場

一連の出来事に対して
日本の立場もまた難しいものです。

・同盟国アメリカがイスラエルを支持
・一方で、中東のアラブ諸国に石油を依存

といった状況にある日本は
アメリカと同じ考えを示すのか

アラブ諸国との関係を重視し独自の路線をいくのか。

そこで
次に以下のことについて考え発表してもらいました。

参加者の回答

小6の参加者

岸田首相が
「我が国は、罪のない一般市民に大きな被害が出ていることに強く反対します」
と発信。

中1の参加者

パレスチナ難民の支援活動への寄付
ボランティア活動への参加

※今回の件が起こる前からの活動

中1・中2・中3の参加者

ガザ地区の一般市民に対して15億円の支援。

ガザ地区の病院が爆撃された件について、パレスチナ側の誤射ではないかと報道されている。

アメリカとはちょっと違う立場。

中3の参加者

イスラエルと将来独立した国家の和平交渉
双方へ交渉

ハマスの攻撃はテロ活動
人道的状況の悪化を最小限にするよう自制を促す

自分事として考える

今回の件は
一見すると日本から遠く離れた場所での出来事であり、
難しく感じる人も多いテーマかもしれません。

しかし
私たちにも大いに関係のあることです。

例えば、その代表例はオイルショック。
特に中東の産油国へ依存している日本は
情勢の変化の影響を大きく受けます。

また中東の情勢は
日本周辺の安全保障にも深く関係します。
もしアメリカが中東に兵力を割けば
それだけアジア太平洋地域へのアメリカの影響が
限定的になるためです。
台湾侵攻というワードも頻繁に耳にします。
日本を取り巻く情勢も不安定です。

パレスチナ問題は
宗教に起因する根深い問題です。

エルサレムは
・ユダヤ教
・キリスト教
・イスラム教
3つの聖地となっており
かつては十字軍が編成されるなど
歴史上凄惨な奪い合いが行われ
その影響を今も引きずっています。

本来、こういった宗教問題に縛られない日本は
中東地域での平和を実現に向けて
重要な役割を果たせる国なのかもしれません。

そのために
自分たちには何ができるのか
何をしていくべきなのか
自分事として考えていきたいところです。

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