第47回 探究「兵法」

第47回 探究型学習コース実施!

【アイスブレイク】
今回のテーマ「兵法」から連想し、「自分の人物伝の1ページ目に書かれている名言は?」というお題で、自己紹介してもらいました!

現代にまで残っている兵法書はどれも普遍的な叡智の書として我々に様々な示唆を与えてくれますが、これらは元々書いた人が存在します。
インプットにてもう少し詳しく紹介しましたが、例えばクラウゼウィッツの戦争論や孫子などはかなり統計的に書かれているものなのに対し、三略や闘戦経などはそれとは少し毛色が異なる側面も見受けられます。
書いた人が一体どのようなことを学び、経験した末に書いたのか、思いを馳せてみると結構面白いものですので、今回のアイスブレイクでは「自分の経験や学びに基づいて書く」という視点から自分自身の人物伝について考えてみることにしました!

と、いうわけで本編!

【探究】
今回はテーマ「兵法」ということで、

『転生したら劉邦だった件』の主人公は、秦末期に転生した現代人で、彼は劉邦としてその時代で活躍します。その彼(劉邦)が最期に、現代を生きる我々のために書き記した兵法書の第1章は「敗戦(または敗北)」

彼になりきって、その文面をデザインしてみよう。

という問いで、皆で考えていきました!

↓まずは簡単に、基本情報をインプット↓

〜インプット〜
〇兵法書とは
戦術や戦略、軍の統率から政治にいたるまで、様々なことが書いてあるバイブル的なもの。
孫子、呉子などの武経七書
日本最古の兵法書である闘戦経
西洋兵法の代表格たる戦争論
などなど色々な種類がある。

○戦争論を読む(第1章)
戦争とは、相手に我が意志を強要するために行う力の行使である。
理論上、戦争において行使される暴力に限界はない
ただし現実世界では、政治的背景や様々な条件によって、どこかでブレーキがかかる
戦争は本来、政策のための手段であり、政治的交渉の継続に過ぎない…etc

○孫子
ビルゲイツや孫正義なども読んでいる。
孫子曰く、兵は国の大事、死生の道、存亡にして察せざるべからず
百戦百勝は善の善なるものにあらず
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。
彼を知り己を知れば百戦して殆うからず…etc

○三略
主将の法は、務めて英雄の心を獲り、有功を賞録し、志を衆通ず
含気の類、皆その志を得んことを願う…etc


ところで、諸葛亮の兵法に「よく敗るる者は亡びず」という一節がある。
「楚昭、禍に遭い、秦に奔りて救いを求め、ついによく国に返りしがごときは、よく敗るる者は亡びずと謂うべし」
つまり負け方が上手な王は国を滅ぼさない、という一節である。
今回はここに着目していく。

☆項羽と劉邦について紹介


劉邦は項羽と72回戦って、71回負けたが、最後の1勝天下を統一したと言われる(誇張)


項羽は楚の豪族出身でめちゃくちゃすごかったが、我儘で残忍
劉邦は身分が低く、無学のだらしないおっさんだったが、とにかく人から愛される人で、素直

こういった両者の違いから、項羽は城を攻めるたびに全力で抵抗され、また従わない者をことごとく殺していったのに対し、劉邦は多くの人に慕われ、彼の元に優秀な人が集まり、人の助けを得ることができた。

こういった違いから、最後には「四面楚歌」の語源にもなっている垓下の戦いにて、項羽は自害し、劉邦は天下を統一した。

〜議論〜
今回、「兵法の文章」はそれほどあがってきませんでしたが、「負け方」について、それぞれのテーブルで色々話し合いがなされました。

・味方、仲間を大切にする
・死なないこと(生き残ること)
・諦めないこと
・敗北したらそれを受け入れ、引きずらずに次のことを考える(振り返り&課題発見)
・被害を最小限に抑える
・ダメな時はやめておく
・敗れて目覚めよ
☆勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
・量×質×時期 程よい時期に“負けさせてあげる”

今回は少々長い問いかけでしたが、ここには色々な意図を込めてみました。
まず、苦労の末にその天性の運と才能も発揮して最後に勝利した劉邦に着目。
また我々が読んでいる兵法書は
・現代まで残っている→役に立つ
・書いた人がいる→その人の知識と経験に基づいて書かれているはずである
といったところから、「劉邦になりきって」「ある程度自分の経験や見聞きしたことも参考に」「役立つ内容を考える」場にしてみるなど、、といった感じです。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。また、やりましょう!

次回は 1/9(木)「スポーツ」をテーマに、“皆で問いを持ち寄って”探究していきます。
次回もまた、面白くて学びになる探究の場を提供してまいりますので、お楽しみにッ!

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