第97回「家族」

第97回 探究型ワークショップ実施!
テーマは「家族」です。
 
【アイスブレイク】
・自己紹介
・私はこんな人です
・あなたの家(実家もOK)独自のルール or 風習
あなたの家(実家もOK)独自のルール or 風習について、それぞれお話いただきました!
 
 
【インプット】
深く考え皆で話し合っていくために、まずは以下の事項を皆で共有しました!
 
◯家族とは何か?
【前提】
「家族社会学」では「家族とは何か?」という問いに対して決まった正解を出せていない
 
◯家族について考える視点例
・定位家族→両親+わたし
・生殖家族→ わたし+配偶者と子供
 
◯「家族」という言葉
・明治の民法において「戸主の統率下にある人々」
・明治民法以前に、近親者を集合的に指す語として使われていた。
・古くから書物に出てくる漢語
 
◯民法上の「親族」の定義
1.六頭身内の血族(「いとこの孫 」まで)
2.配偶者
3.三頭身内の姻族(「配偶者の兄弟の子」まで)
 
◯「世帯」≠「家族」
・住居と生計を共にする人々の集まり
・「家族」と「世帯」はしばしばダブるが、一致しない場合もある。
・日本の家族の統計は、全て世帯単位
→日本にある世帯数はわかるが、日本にある「家族」の数はわからない。
 
◯ペットと祖父母、どちらが家族か?
・「◯◯を家族だと思うか?」と言う問いで様々な対象に対する意識調査があった。
・結果は、ペットを家族だと思う人の割合が、遠隔で暮らす祖父母を家族だと思う人の割合よりも少しだけ多かった。
→集計していた中学人留学生がびっくりしていた。
 
◯マードックの核家族説
拡大家族
親子関係によって結ばれた2つ以上の核家族
複数家族、一夫多妻など
 
◯オグバーンの家族機能説※諸説あり
1.愛情機能:無条件に受け入れ尊重し合う
2.経済機能:稼いで、生活を成り立たせる
3.教育機能:社会に出られるようにする
4.宗教機能:先祖崇拝や文化の継承
5.娯楽機能:家庭内で娯楽を楽しむ
6.保護機能:生命や財産を守る
7.地位賦与機能:「家柄」⇒社会的地位の獲得
 
◯家族機能の外部委託(家族機能の縮小)
1.愛情機能:??
2.経済機能:会社・工場など外部での経済的生産
3.教育機能:学校や塾
4.宗教機能:軽視されつつある?
5.娯楽機能:遊園地や映画など外部のレジャー
6.保護機能:警察や病院など
7.地位賦与機能:世襲の弱体化
 
◯お父さんバンク
「特技を持て余す大人(お父さん)」を派遣するサービス
 
◯ファミリーシークレット
・どの家族にも、良くも悪くも「シークレット」がある
※”秘密”や”影の部分”
・当人たちが無自覚のままずっと抱え込んで苦しんだり世代を超えて引き継がれる場合さえある。
これらのことについてみていきました。
 
 
【問いかけ】
「家族」とはどんな存在だろうか
 
 
【探究】
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・オハナ
ハワイ語で広義の「家族」に相当する概念
オハナは、血縁関係がない者も含んだ意味での「家族」を意味するという点や、
世代を超えて永々と続くという捉え方が強調される点に特徴があり、
英語の「family」などと単純に同一視すべきではない概念であるとされる。
オハナは、もともと経済的に結び付き、
精神的にも支え合う互助の関係にある血縁者、
親戚の集合体を指していたとされるが、
それが、血縁以外の親しい関係にある者などまで含む形に拡張される。
また、そうした家族的絆を支える精神を意味するとも説明される。
→血縁関係など関係なく絆や信頼があれば家族と言える。
 
・いちゃりばちょーでー
→一度あえば兄弟
言い換えれば人類皆兄弟だから仲良くしようと言うこと
 
・義兄弟の例
これらから考えると血縁など関係なく、絆や信頼がある様な関係が家族と言える。
 
<劉備・関羽・張飛は家族なのか
<義兄弟は偽ではないのですよね。
<昔は1回酒飲んだだけで義兄弟の契りとか交わしててその割には後に仲たがいして殺しあうとかは結構あったよね。
<兄弟喧嘩
<兄弟の証として血を分け合った奴なら知ってる
 
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自分にとっての家族とは愛情を相互に与え合う関係理由は、
自分が一番「家族」を感じる時は愛情を少しでも感じた時だから
例えば、いつもは小さなことでも喧嘩に発展するけど、
自分が落ち込んでるときや悩んでいるときにそっとしてくれる時大事なのは相互に愛情を与えること
 
<逆に、愛情とかあまりないと家族とはいえないのかなあ?という疑問があります。
<結婚すれば家族で愛情はある(少なくとも最初は)
<法的には家族を引きはがす制度もある
<鬼滅の刃の「累」の一家は家族ではない?
 
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無条件に受け入れ合える存在。
1)コロナ禍で在宅勤務が続く中、ネコがいたから正常を保てた
2)留学した経験 →外の世界に旅立たせてくれるもの。 
→どんな結果であれそこにあり受け入れてくれる存在があるからこそ、
挑戦したり、失敗したりできる。
 
<ペットはパートナーですよね♡
<留学の際に見送ってくれた存在
<使い魔(ファミリア)などもそうですよね。
<familiy⇒サーバント⇒召使い
<家を守るために、家長に尽くすモノ、、、なのかぁ。。。
<家の断絶が死活問題だった時代ですもんね。。。
<大黒柱、ですね
 
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家族に関する統計疑問
1.生物学的な血縁をベースに家族を考えるのは妥当なのか?(日本VSフィジーの例)
 
2.家族の役割とは何なのか?
一位 心の安らぎを得る 
 →喧嘩したり良きライバルのような夫婦は家族ではないのか?
二位 子どもを生み育てる
 →子供と別居している場合はどうなのか?養子でない子を育てている場合は?(※例:北斗の拳のフドウさんは父親?)
 
3.「家族」は文化的要因が大きいのか?それとも制度なのか?
→例:日本では年上の女のいとこを「姉」といわないが
   中国人は「お姉さん」という同居していると何も言われないのに世帯を別々にしてると色々な疑いをかけられる
  (社会保険関係や税金、世間的な見方等)
4.家族という心情とは?
動物は家族というが、例えば父親とペットとどちらかを殺さないといけないような究極の状況で父親を殺せるか?
まと結局は「家族」の定義は客観的に定めるのは難しく、人それぞれの感じ方の問題に帰着するんだろうか?
考え方としては家族の範囲を広げていったほうが人生は豊かになるような気がします。
 
<約束のネバーランドの、エマたちを思い出しました。
<山のフドウは、お父さんでしたね!
<孤児院のメンバーは”家族”ですもんね>ネバーランド
<世紀末の保父さんですよね>フドウ(漫画キャラ)
<一意に定義することは、それ以外の形を除外することになってしまいますね。
<外地人/内地人(中国の内外の二面性)は産業障壁レベル。。。
 
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「家族」とはどんな存在だろうか?
安心安全の場、たとえ離れていても拠り所となるもの
それは生きていなくてもいいかもしれない、
精神的につながっていると当事者が思えば
物理的に遠隔地でも時間的に経過していたとしても
つまり現在は存在していない、なくなっていたとしても
亡くなった母と祖母 は今でも繋がってると思ってるから
調べてみると
 
・リヒターによる病的家族
劇場家族〜良い家族をお芝居の様に演じる家族
要塞家族〜自分たち以外は全て敵とみなし対抗することで絆を認識する家族
サナトリウム家族〜互いに傷を舐め合う様な家族
 
・小此木啓吾による家族
コンテナ家族〜容量が大きく、社会のストレス、不満を持ち帰っても、それを受容し、癒してくれる様な家族
ホテル家族〜みんながお互いそれぞれお客のつもりで、サービスされることだけ求め他人のために汗を流さない家族
 
<故人でも家族、ですもんね。
<そこは考えられなかったなあ….
<「HOME」というワード…ふと頭をよぎりました
<明日には仲直りできちゃってるのは家族かもなあ
<布団の中はぼくにとっての安心安全の場
<仲良くても悪くても、「あいつぁそういうやつだ」って受け入れられたら、家族かもなぁと思いました。
<「だって家族やん」っていうのは水戸黄門の印籠ぐらいの説得力がある
<あきらめるのではなく受け入れるというのがまた難しいんだろうなあ
<「後で仲直りが必要なるかもなあ」ってくらいの衝撃的なことも、安全安心な家族だからこそできそうですね
 
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家族とは
①ご飯を一緒に楽しく食べてくれる人僕にとって家族を感じられる時がご飯の時間その時は外でも家にいるような安心感を得られて嫌なことを忘れられる
②ただいまと言っておかえりと言ってもらえる時は幸せに感じるなんでだろうね
 
<喧嘩できる安心感ってありますよね!
<「喧嘩できる安心感」っていいですね!
 
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一言で言えば、昔の方が「家」の縛りは強いですよね。
大河ドラマ見ていても、いつも思う(笑)
拠り所としても、戦う理由としても。
制度というより文化的価値観や心情的な捉え方のほうが強そう。
さて、あらためて思うのは、家族は、見えない力でつながっている感じの存在。
同僚や友人も、だいぶ長い時間をともにすることがあるあし心が通うと思うのですが、切ろうと思えば縁は切れる。
忘れることもできるような気がする。
二度と自分の人生上に登場しないみたいな(笑)
でも、家族は、勘当とか絶縁ってあるにはあるだろうけど、記憶から消したりなかったことにはなかなかなりにくそうだと思う。
近いがゆえに歯がゆい、思うようにいかないこともあるけど、
なんだかんだそこでしか共有できないことや帰る場所としての枠組みなのかとは思う。
余談だが、個人主義と思われがちのアメリカで実感したのは、家族愛がめっちゃ強い!ということ。
自分なんかより、よっぽど強かった。
でも、自分のことも、Brother in Christって呼んでくれてたな。
という意味では、信仰も大事なんですかね。
と、思い出します。
 
<プロテスタント(キリスト教)の方はブラザー/シスター(≒皆神様の家族の兄弟)ですもんねー
 
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【問いかけ 「家族」とはどんな存在だろうか】
小学生:私を縛るもの
   ↓
高校生:私を護ってくれるもの
   ↓
大学生:映画『ゴッドファーザー』
→血の掟(オルメタ)+漫画『ジョジョの奇妙な冒険』と出会う
→「人間讃歌」「運命(継承/呪い)」「意思」)
   ↓
よく関係する”必要がある”『他人』
 
<親しき中にも礼儀あり
<3日分の靴下洗濯機入れろや!とか
<捨てられちゃうかもですね。笑
<外的/内的な家族の定義がありそうですね
<洗濯の後掃除に使われるんだろうな
 
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【ファシリコメント】
今回もありがとうございました。
ファシリテーターを務めさせていただいた木原です。
「家族とは何か」
という問いについては、社会学的にも普遍的な定義や答えを出すことはできておらず、
まさに決まった正解のないテーマ(問い)ですので、今回扱ってみることにしました。
私自身も今回のワークショップを作るにあたって色々調べたり考えたりするのですが、
両親は自分にとって家族か、
養子は自分にとって家族か、
ペットは?
同棲する恋人は?
と色々な視点で問われてみると、結構悩んでしまい、奥深いなぁと思いました。
また同様に「世帯」と「家族」は必ずしも一致はしないというのもなるほどなぁと感じます。
今回のグループトークでも様々な視点での意見出しや議論を行っていただきました。
どれもとても勉強になり、私自身も多くの気づきをいただきました。
また今回も議論を通じてさらに様々な問いが生まれてきました。
尽きないなぁと思います。
ですので、、折に触れて掘り下げていけたらと思います!
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
 
是非またやりましょう!
次回は第98回『災害に備える』を予定しております。
今後もまた面白くて学びになる探究の場を実施していきますので、お楽しみに!
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