第111回「“褒めること”について考える」

第111回 探究型ワークショップ実施!


今回のテーマは「“褒めること”について考える」です

【今回の問いかけ】


仕事や子育て、教育において、
相手を褒めた方が良いだろうか
褒めるなら、どのように?
褒めないならば、代わりにどうする?
※様々なエピソードも交えつつ考えてみてください!


【今回のグループトーク】


~インプットセッション~

>>awesome≒サイコって書いてあった…!
>>incredibleとかもあるかな?
>>確かに!
>>頭がいいという褒め方はよくないと聞いたことがあります。
>>スイスの時計にインクレティブル(めちゃすごい)って解説がついていたのをみたことあるなあ…
>>レジリエンス力も必要ですね
>>頭がいい、は気になるところですね…
>>あまり型にはめちゃうと、レジリエンス(適応力、耐久力)が落ちちゃうかも、ってハナシもありますね
>>きっかけが不純でも良くなるパターンが「エンハンシング」ですな
>>モテたいからギター弾く→ギター楽しい!的な
>>ダメ出しは「何故と聞かない」という話もありますね。
>”どうしたらよい/よかった?”と聞いた方が効果的
>>「何故遅れたの?」と聞くと”言い訳”を考えちゃうので、
>>解決力が養われない、という説ですね
>>相手のやりたいことか、自分がやらせたいことか、という違いもありますねえ
*大抵の褒めテクは”人を動かす”視点が多い印象?
>>「人を動かす」は世界的ベストセラー本ですね
https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E3%82%92%E5%8B%95%E3%81%8B%E3%81%99-%E6%96%87%E5%BA%AB%E7%89%88-D%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%83%BC/dp/442210098X
>>おお!名著!
>>カーネギーですね!
>>ちなみにこれ、(リンク先でもみえるのですが)英語版タイトルみてから読むと、大分印象かわるかもですね…
>>友人を凌駕し、人々に影響力を及ぼすには?という原タイトル…熱いぜ…!
*ちなみに中国語版は上記まんまのタイトルで出版されていてビビった記憶が…
>>そんなタイトルだったのですね(笑)
>>これ、(労働者とかを)コントロール(≒教育)するコンセプトとしてセミナーとかやってたのですよね…(当時)
>>マッチョなタイトル!
>>なるほど、、「動かしたい人」がいる人向けなのですね

 

~グループトーク~

 

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褒めるは「誉れ」から?
誉(ほまれ)の意味
⇒名誉の「ヨ」
褒めるは目上の人には使わないが、誉は使ってもOK
適度に褒めるべき
「ほめ殺し」という言葉もある

>>「ほめ殺し」はかなり昔の選挙に使われた手法なので年齢がばれるらしい
>>山本五十六
⇒部下にどうやって戦術を理解させるか、分からないものをどうやって相手に伝えるか
>>なんとかかんとかで人は動かじ、っていうやつですね。

「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」 山本五十六語録

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褒めたほうが良い
勉強しろしろ言われて頑張りたいと思うことは僕だったらない
なんも言われなかったらモチベは出てこないけど、褒められると頑張りたいと思える
でもベタ褒めされるのは少し気持ち悪いので嫌だ
ということで度を越えない程度に褒められるのであればモチベは来ると思う

>>人はやるなと言われるとやりたくなるらしい
>>べた褒めされると裏があるのでは?と考えちゃうう..
>>褒める側の視点だけでなく、褒められる側の視点
>>俺よりゲーム上手い!(褒め
>>「褒め」という形で相手を傷つける技法
>>褒め殺し(永田町)

>>べた褒めされて、皮肉に感じる時と、そうでない時ってある?
⇒そもそもべた褒め自体、違和感感じる
>>基本的には褒めて伸ばしたほうが良いと思う。
>>やはり、褒められたときのほうが、やる気が上がるし次も頑張ろうという気分になれる。
>>ただし、それによって周囲を見下すようになったり人をポイントで見るようになってしまう可能性があることに注意したい。最終的に自身の自己肯定感の欠如に繋がりかねない。「凄い」「かっこいい」など抽象的で誰にでも使えるような言葉よりも、的確なフィードバック、本人のためになるような褒め方をしたい。例えばお寿司屋さんにおいて、ネタを褒められるよりも、お見せの雰囲気や作る職人さんの技術などを褒めたほうが良いのではないか。ネタは買うだけ。
>>頑張って!というような応援も大切だが、他人事に思われないように。それでもあなたの努力や活躍を見ているよ、ということは伝えたい。
>>美人は外見より中身を褒めたほうがいいと聞いたことがあるがそんな感じかな?
>>ジョハリの窓
>>相手ー自分×知ってるー知らないのマトリクスでとらえる方法ですね。
>>今回の場合当てはまるか分からないけど知り合いの元うつの人が自分をほめてあげることは大事だと言ってました
>>自分が知っていて、相手が知らないところ、は効果的という説…
https://jinjibu.jp/keyword/detl/736/

>>動機付けにおいては、自分を知るという意味で大事ですね、ジョハリの窓の見方は。
https://potect-a.com/utilization/johari_window/

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「褒める」の誤解

1.無理に褒めることで余計に人間関係が悪化
上司による褒めハラが一時小さなブームに
→気持ち悪い 下心が見え見え 
一方で、「ならのしか」戦略で大きく業績を伸ばした企業あり。
※ピグマリオン効果が効いた?

2.「どう褒めるか」より「誰が言うか」が重要
→褒める側が尊敬されているか?
部下より上司のほうが努力しているか?
部下の困っていることを解決してくれそうか?

3.「褒める」についての従来からの疑問
みんなそんなに褒められないと生きていけないのか?
褒められないとできないって本当に人生に必要なのか?
やりたくないし不要だからでは?

4.どうすればいいか?
「褒める」より、自分の「当然」を下げるほうがよい。
そうすれば、自然に「感謝」できるようになる。
ありがとうと思ったらそう言い、良いと思ったらそれを素直に口に出せばよい。
「褒める」の誤解


1.無理に褒めることで余計に人間関係が悪化
上司による褒めハラが一時小さなブームに
→気持ち悪い 下心が見え見え 
一方で、「ならのしか」戦略で大きく業績を伸ばした企業あり。
※ピグマリオン効果が効いた?

2.「どう褒めるか」より「誰が言うか」が重要
→褒める側が尊敬されているか?
部下より上司のほうが努力しているか?
部下の困っていることを解決してくれそうか?

3.「褒める」についての従来からの疑問
みんなそんなに褒められないと生きていけないのか?
褒められないとできないって本当に人生に必要なのか?
やりたくないし不要だからでは?

4.どうすればいいか?
「褒める」より、自分の「当然」を下げるほうがよい。
そうすれば、自然に「感謝」できるようになる。
ありがとうと思ったらそう言い、良いと思ったらそれを素直に口に出せばよい。

>>まさに褒め殺し…!!!
>>逆パワハラ
>>俺はここで水を撒くことしかできない。
 だが君には、君にしかできない、君ならできることがあるはずだ。
 誰も君に強要はしない、自分で考え、自分で決めろ。
自分が今、何をすべきなのか。
 まぁ、後悔の無いようにな。
by 加持リョウジ(新世紀エヴァンゲリオン)

>>エヴァ…!
>>いいセリフ
>>中学生に人生を託すオトナの話なんだよなあ…
>エヴァ
>>(シンジ君はちゃんと大人が教えてくれればひねくれずに済んだのかなあ…)
>>(あ、私はエヴァファンです!

>>飴ばかりでもね・・・・・
>>褒めしかかけないSNS
>>褒め方が分かりません
>>会社では、目標をどんどん上げられて、褒められることが少ないです
>>通知表は 所見 褒め言葉(ポジティブ)を書くようになってます。
>>その褒めSNS名前なんて言うんですか・・・?
>>面白そう
>>人間は本能的に他人から認められる欲求があるようです
https://5smile.recog.works/ja/

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理由:ほめ方には種類がある。
称賛でも、賞賛でもなく:ウィンク:

①おざなりほめ
 =中身のない表面的なほめ
  例)「すごいね!」「上手!」

②人中心ほめ
 =性格・能力・外見など表面上の特徴
  例)「頭がいいね」「かわいいね」 

③プロセスほめ
 =努力・過程・試行錯誤した手順をほめる
  例)「あきらめず最後までやりきったね」
    「いろんな方法を試したね」

考察の過程:
「ほめる」は副産物。ゴールではない?
「ほめる」は認める事。ジャッジしない
「ほめる」は相手とつながり、無条件に気持ちに寄り添い、気持ちをわかちあいこと。=共有
「ほめる」は見返りをもとめないギフト

ほめ方の3つのポイント
1)成果よりもプロセス
2)もっと具体的にほめる
3)もっと質問する

ほめ方:
観察する、相手に興味を持つ、ありのままを伝える。
言葉だけでなく視線、や100%注意を向ける。
無条件で褒められるか、条件に応じてほめを出したり引っ込めたりしていないかに気を付けることが大切なのでは。
無理にコメントしたり、アドバイスしたりしなくてOK!

結論:かけがえのない一人の人格として認められていると感じ、内から湧き出るモチベーションを自ら引き出せるよう(グロースマインドセット)、ほめた方が良いと思います。
しかし、一人一人が”ほめ方”に向き合い、「ほめる」こと自体への考察を通して自分の”ほめへのイメージ”と向き合う必要があるのでは…。

>>知らんことは褒められないですもんね>観察重要
>>売れないキャバ嬢は①を連呼し、NO1キャバ嬢は③が自然な感じでできるらしい(伝聞ですが)
>>↑経験談…
>>成果主義と褒め は両立できるものでしょうか?
>>Iメッセージですね!
>>でも確かに「褒めの語彙」が多い方は優れた方、ですよね。
>水商売のすごい方の褒めがスゴイですよね…
>>拡大解釈すれば「良い成果評価」も(会話ではない)褒め、かもしれませんね
>成果主義と褒め
>>*教育と鼓舞が目的なら、(心理学的には)「正のフィードバック」は褒めという解釈
>>褒めるときは相手の無反応や否定的態度を気にしないことが大切だと思います。
>>目には見えなくても心には小さな波動が生じていることも多いです。
>>悪口戦術
⇒褒めと悪口はとても近い
>>子供を褒める⇒子供が喜ぶことを期待している?
⇒相手のためになるのであれば、褒めても良い?
>>思い通りに動かしたいだけだと…

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「誉 と 褒」 と 「褒めると叱る」
ほめ殺しって言葉もありますしね  ・・・ 過ぎたるは猶及ばざるが如し
褒の読み方
『褒』の字には少なくとも、
・褒 ホウ
・褒 ブ
・褒める ほめる
の3種の読み方が存在する。

意味
1. ほめる。相手の良い部分をほめ称える。「褒章・褒賞・褒状・褒美・過褒」

熟語
四字熟語
「褒」の漢字を語中にもつ四字熟語を表にまとめる。
「褒」が入る四字熟語
毀誉褒貶 きよほうへん


誉 読み方
『誉』の字には少なくとも、
・誉 ヨ
・誉れ ほまれ
・誉める ほめる
の3種の読み方が存在する。

意味
ほまれ/よい評判を得る/ほめる

熟語
四字熟語
「誉」の漢字を語中にもつ四字熟語3種を表にまとめる。
「誉」が入る四字熟語

毀誉褒貶 きよほうへん
出藍之誉 しゅつらんのほまれ
名誉挽回 めいよばんかい

ほめるときの3つのポイント
「すごいね」とおざなりなほめ方もダメ、
人中心に、
「賢いね」と能力をほめたり、
「優しいね」と性格をほめたりするのも効果的ではないとすると、
いったいどのようなほめ方をしたらよいのでしょうか。

ほめ方には3つのポイントがあります。
* 成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
* もっと具体的にほめる
* もっと質問する

上手な叱り方の4つのポイント
子どもを叱ることは、社会適応に必要な知識やスキルを教えるために必要なことであり、罰を与えて子どもの行動をコントロールするために行うものではありません。
子育てにおいて、上手に叱るというのは、上手にほめることよりも難しいことです。
特に子どもが言うことを聞かないときや癇癪を起こしているときは、親もイライラしてしまって、感情的な対応をしてしまうこともあるでしょう。
では、子どもとつながるためには、どのような叱り方をしたらよいのでしょうか。
次の4つのポイントが大切です。ほめるときと本質的に共通する部分が多く感じられると思います。

叱り方 4箇条
1. 「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない
2. 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
3. 好ましくない行動の理由を説明する
4. 親の気もちを正直に伝える

「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
山本五十六語録

>>
俺はここで水を撒くことしかできない。
だが君には、君にしかできない、君ならできることがあるはずだ。
誰も君に強要はしない、自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。
まぁ、後悔の無いようにな。
by 加持リョウジ(新世紀エヴァンゲリオン)

ーーー

【仕事や子育てで褒めた方がよい?】
>まとめ
子育て→絶対褒めるべき。
仕事→相手による
(評価は絶対必要。フィードバックの方向性(正か負か)は
 相手(のレベル、性格、やる気度合)による)

ーーーーーーーーー

>褒めるってどんなこと?
”植物の剪定や日当たりの調節”のようなもの
”こっちに伸びたらいいよ、そっちに伸びてはいけないよ”は
相手がそれを知らず、それを教える必要がある場合により有効となる。
→AIの『教師あり学習』が有効なケース(そしてその弱点)

ーーーーーーーーー

>個人的にはどうよ?
個人的には…
褒められるのは苦手(ダメ出し/喜んでくれる方がずっと嬉しい!)
→相手が褒めるのは余裕があるから、というパターンが多い
(イチローのゲーム話)

ーーーーーーーーー

>おまけ:
それは愛が洗脳か?という視点。
評価、インセンティブ、ナッジは善でも悪でもない。
相手の利益と自分の利益のバランス

*ポライトネス理論的なトークは(個人的には)褒めじゃない。

>>AI教材の「褒め」は、「褒め」として良いものなのですかね。
>>価値観の多様性ですね
>>私も褒められるより、価値観を共有したいです

ーーー

~したほうが良いか?
という方法論であれば、
「ほめたほうが良い」
と思う。

どうほめるかについて。
成果をほめるのではなく、
行為をほめてあげること。

〇点とったことをほめる
→〇点とれなかったらほめない、またはほめられないと受け取ってしまう
そうではなくて、
〇〇をがんばったと、行動したことにフォーカスしてあげると良いと思う。
または、自分が気づいていなかった良い点を見出してくれるとか。「あなたにはこんなすごいところがある」

あとは形としては勇気づけの意味合いと近いが、
大事なことは相手を一人の人として尊重すること。

子どもであっても。
これを根底に、こちらもきちんと考えていることを話せば、信頼関係が築けるのではないかと思う。

表と裏があるとか、
どうせ子どもだからとか、
そういったものが信頼関係を損なうのではないか。
だから、一人格者として尊重すること。

 


【ファシリテーターより】


ファシリテーターを務めさせていただきました、木原です。
今回は「褒め」に関する探究でした。
これも以前のワークショップでふと話題に出てきた内容であり、
実際に子育てや仕事など多くの場面で重要なテーマになるかと思いますが、
今回の議論の中でも、様々な場面を想定しながら意見を出し合っていただきました。

問いかけでは、大雑把に「褒めたほうが良いか、それとも褒めない方が良いか」と表現してみました。
結局はケースバイケースですので、正解のない問いになるだろうと考えましたが、
大抵の場合は「褒めたほうが良い」という意見が出ました。
しかし一方で、
・褒められないとやる気が出ないのは、そもそもそれは本当にやりたいと思っていないのだから褒めなくても良いのではないか
・子供を褒めるのは、子供に「そうさせたい」という想いに基づくものであり、洗脳にはならないか?
という疑問を呈する意見もあり、深い議論につながったように思います。
2点目の疑問については、
・教育と洗脳は不可分であり
・子供はまだ知識もなく、価値観やパーソナリティも確立できていないので、
・子供にとって良いのであればそうしても良いのではないか、
(ただし、ただの大人のエゴなのであれば、また違う)
といった議論が続いたのも印象に残っています。

私自身は教育の現場で子供たちと関わらせていただいており、日々「褒め」と向き合っているように思います。
そういった中で、様々なバックグラウンドを持つ皆さまのご意見に触れ、とても学びになりました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
またやりましょう!

次回は第112回
「日本は豊かなのか」
を予定しております。
今後も楽しくて学びになる探究の場を実施してまいりますので、お楽しみに!