第140回「メディアと情報」

第140回 探究型ワークショップ実施!
テーマは「メディアと情報」です。
 
 

本日の問い

あなたはA高校の生徒です。校内新聞で「校長のスキャンダル」の噂について記事を書く事になりました。どんなタイトル・内容にしますか?
 
 
 

探究

インプットセッション中のやりとり

 
☆普段使う情報源は?
>>TED
論文など文書を見る前に、著者の考え方を把握しておく
>>特許
美味しいブリの養殖方法からダイエットのアイデアを得られたり?
>>官公庁のサイト
>>行政の情報
⇒意外とちゃんと見ている人少ない
⇒助成金の情報とか、サイトの隅っこの方にちょこっと載ってたりするから…
>>すでにこの時点でいいこと沢山学べました(笑)
 
 
 

グループトーク

 
【はじめに】:
メディアニュートラルなどない
すべてはポジショントークである。
でも、衆生への慈悲や
ポジショントークであることを明記することは大切
 
【どんなタイトル/内容か?】:
センセーショナルで極端な単語やもじりを使う
 
例:
校長アンタッチャブル事件簿
校長罷免で学校は甦る
実録!校長密会の衝撃!
学校トップの知られざる履歴書
校長について語る時に僕が思うこと
 
しかし、これも読ませたいという目的のためのテクニック…
*本当なら学術論文みたいに”わかりにくいけど正しいタイトル”にすればよい。
 
【おまけ】:
そもそも…
「校長のスキャンダル」についての”噂”(←ここがミソ)
これは本当か?
本当だとしてどんな問題がある?
どうやって確認すればいい?(確認するために書く?)
それは是正/告発されるべきもの?
その告発は単なる貴方の正義じゃないの?
それを書くことでどんな影響が誰にある?
ETC,ETC…
 
どんな目的があるかにはよるが…
 
Aルート:
不正を暴く、という形に収束させ(るかそれを取引条件として)、
校長先生を動かす。
 
Bルート:
噂に惑わされてはいけない、という形に収束させ、
校長先生と周囲の信頼を勝ち取る(学校新聞コンクール狙い)
 
Cルート:
良いか悪いかを自分では判断しない。
学校報道の目的は学校内のよりよき世界を作るための情報の提供。
だから、とにかく事実報道のみをしていく。
 
Dルート:
”噂”がどうやって生まれたかを調べ、
その原因(と意図)を探った上で判断する。
 
客観的に書くというのも、実際は主観
好きなことに集中したい⇒それ以外は信頼できるソースを妄信したい
真実よりもデマの方が広がるのが早い
 
ーーー
 
「噂をする人ではなく、噂になる人になりなさい」 
校長先生は自らの教えを実践!?
 
校長先生は、いつも言っていました。
「噂をする人ではなく、噂になる人になりなさい」 
そして今、校長先生はまさに有言実行、そんな人になりました。
 
校長先生には、今、OOというスキャンダルの噂が流れています。
そして読者の皆さんの中にも、
「まさかあの校長先生が。。。」
そう思った方も少なくないのではないでしょうか。
 
でも、考えてみてください。
OOが事実であっても、そうでなくても、私たちの人生には関係のないことです。
そうやって噂話にやきもきして無駄に時間を費やし、貴重な高校生活を失っていっていいのでしょうか。
大切なことは、噂話を気にするより、もう二度と返ってこない、この一瞬一瞬の高校生活を一生懸命に、そして大切にすることではないでしょうか。
OOの真偽は、来月の法廷で司法により明らかにされますので、それまで、一旦静観してみてはいかがでしょうか?
 
>>有言実行スタイルww
 
ーーー
 
 

ファシリも考えてみた!

 
☆本題とは関係ないが、、
まず、同じニュースについて、新聞社比較してみた。
 
~オミクロン株×NYイベントのニュース~
 
〇読売
米で「オミクロン株」2例目確認…NYで日本のアニメイベント参加、市中感染の恐れも
 
〇朝日
米国でオミクロン株の感染2例目か NYで5万人規模のイベント参加
 
加えて…
〇毎日
オミクロン株市中感染、12カ国で確認 120人規模パーティーでも
※他の二つと全く同じ記事はなかったが、一部この記事の中に含まれていた
 
これを見て気になるのは
「なぜこのNYイベントによる感染拡大にフォーカスしたのか?」
ということ。(他にも色々あるだろうに。。)
 
日本のイベントだから?
注目を集められそうだから?
正解は分からないけど、どういう基準で扱う記事を選んでいるのか、気になるところ。
 
 
~本題~
まずはそれっぽい記事をそのまま書いてみる。
 
【○○校長の危険な噂…国語科の××氏と浮気か】(文春か…(笑))
当校校長の○○先生が、国語科の××先生と不倫している可能性が1年生への取材で判明した。校内記者室ともいわれる1年2組の聞き取り調査によると…だと言われている。
 
ここで一つひらめく。
 
“当局は他の教員たちの間で注意を呼び掛けている。”
 
もし自分がこの記事を任されたとすると、そもそも「校内新聞」がどういうポジションにいるのか、どんな役割を担っているのか、考えざるを得ないと思った。
 
単なる生徒の娯楽?
それともガチなやつ?
(まあ、自分で問いを考えておいてアレだが、こんな記事を扱うのは恐らく娯楽。(笑))
ということで、あくまで読み手を楽しませるのが目的。
では自分ならどんな手法で読み手を楽しませるか
⇒例えば、先生たちの間での出来事を天気予報(自然現象)風に報道したら、ギャグが効いてて面白いかな~と思った。
 
ところでこの新聞、
先生の目を気にする必要はあるだろうか?
先生もこのニュースを読むのだろうか?
このような“すっぱ抜き”をするのは初めて?それとも…?
 
う~ん、まあ、校内新聞とか、絶対読んでるか。。
ここで少しインプットセッションの内容に想いを馳せてみる。
 
マスメディアの3つの役割
1,見張り
2,討論
3,教師
 
新聞記事から、先生たちは生徒たちの関心事を、そして自分たちがどう見られているかを知ることができる。つまり彼らにとって監視の役割として機能していたということか。
(まあ、そんな職場嫌だけど。(笑))
 
 
↓実は今回検討していた別の問いがこちら↓
 
信用できる情報って、どんな情報?
またあなたが信頼している情報源はありますか?
(あれば、それはなぜですか?)
 
情報が信用できるかどうか、その判断基準の一つは「誰が言っているか」になるわけだけれども、インプットセッションでも紹介した心理効果によって、人は4週間くらいで「誰が言っていたか」なんて忘れてしまうらしいし、、情報をどこまで信用するかというのは、難しいですね。
 
 
 

ファシリテーターより

今回もありがとうございました!
ファシリテータ―の木原です。
 
今回はテーマ「メディアと情報」ということで、しばしば悪者扱いされてしまう(マス)メディアにフォーカスし、自分が情報発信する側になってみるという探究を実施してみました。
 
もちろんマスメディアに対して色々思うことや聞き及ぶことはありますが、今回はいったんそういうのは置いておき、情報発信する側・記事を書く側の人は一体どんな視点を持ち、どんなことを考えるのか、そういった部分について気付きを得られればと考えました。
 
自分がその立場に立ってみるという視点は実は他のテーマでも何度もやっています。これまでやった中で印象的だったのは「税金」でしょうか。
 
・みんなお金を払わずに済むなら払いたくない
・税金を“取られる”と表現する
⇒しかし自分が行政側に回ると、あらゆる手を用いて税を徴収しようとしてしまう(笑)
 
(私自身もそうなってしまったことを含めて)
面白い現象だなぁと思います。
 
そして今回のテーマについても、メディアニュートラルという言葉がありますが、参加者の方がおっしゃっていた通り、そんなものは幻想なのかもしれないと、自分でも探究してみることで実感しました。
そもそも限られた紙面に限られた文字数で情報を書くのだから、絶対に何かしらの取捨選択をしているわけですね。そして取捨選択には必ず何かしらの基準がある。
 
ただポジショントークが絶対に悪かと言われればそうでもなく、
読み手はそのことを分かったうえで情報を取るべきなのでしょう。
 
これも結局、
これまで何となくわかっていたこと、
けど今回じっくり考えてみることで、改めて気づけたこと
です。また明日から世界の見え方がちょこっとだけ変わるかな~という気がします!
 
 
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
またやりましょう!
 
次回
12月10日(金)19:30~21:00
第141回「さよなら20201年」
 
そして、
12月17日(金)19:30~21:00
第142回「キャリアと就職(仮)
 
を予定しています。
年内はこれにて終了。
年明けは1月7日(金)からとなります。
引き続き、楽しくて学びになる探究の場を実施してまいりますのでお楽しみに!