第167回「紙の価値」

第167回 探究型ワークショップ実施!
テーマは「紙の価値」です!
 
 

【今回の問い】

「紙」の価値ってなんだろう?
 
 

【探究】

インプットセッション中のやりとり

ビールボトルすごい!
<<10年、がくっと下がっているのきになる!>紙の生産量
<<手触りは重要
<<上級者は竹簡(木簡)ですね
<<古文書って今でもみつかるのですもんね…!>紙の丈夫さ
 

グループトーク

 
「紙の価値」とは?
 
vsタブレット
(読み物として)
・目が疲れない
・開けばすぐ読める
(面倒な手続きが要らない)
・本棚に本がたくさんあると、感慨深い
 
vs木・岩・竹…etc
(文字を書く媒体として)
・軽い
・薄い
・書きやすい
・折りたためる
・持ち運びできる
 
vsデジタル
(記録媒体として)
・寿命が長い
・環境変化に強い(ある面)
 
vs木箱や缶・瓶・あるいは風呂敷
(ものを包む、入れる、守るものとして)
・軽い
・柔軟(変形に強い)
・処理が楽
 
vsプラスチック
・牛乳パック等、容器としての用途
→広がれば広がるほど、プラごみ問題解決に貢献できる
 
〇様々な代替用途
・インテリア
・食器
 
〇紙やプラスチックに代わる素材
「LIMEX」
・原料は石灰石
→日本での自給率100%
・水や木をほぼ使わずに作れる
・耐水性・耐久性→雨や野外でも使用可能
・無機物なので劣化しにくく、高確率でリサイクル可能
 
☆紙の弱点は「劣化」
→劣化しにくいというのは、紙の上位互換になるのか、、
 
ー--
 
水墨画、墨彩画、書道、伝統的なものは紙でないと出来ないのではないか?
電子媒体は、その機材自身がないと再現(記録したものを出力する等)が効かないのではないか?
紙の効用「なんとなく」を明らかにした最新研究(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻の酒井邦嘉教授 他)
「紙の手帳の脳科学的効用について~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~」
紙の手帳の被験者は他のグループよりも、短時間でスケジュールの書き留め(=記銘)を終えた。ところが、記銘した内容に関する想起課題の正答率には3つのグループ間で有意な差が見られない。つまり、紙の手帳のグループは短時間で要領よく記銘できたのだ。また、より簡単な設問(例えば「図書館に参考文献を受け取りに行くのは何時?」など)の成績では、紙の手帳のほうがタブレットよりも高いという結果が示された。https://blogs.ricoh.co.jp/RISB/society/post_702.html より
 
なぜ紙の本は消えないのか?── 書籍の媒体選好における影響要因の検討 ──
權 純 鎬 の 早稲田商学第 459 号 2020年9月P51-67論文
 
ー--
 
【紙の価値】
 
>語源
「糸」+「氏(≒なめらかなもの)」
*英語の「paper」はパピルスから
 
>マーケ的な「価値」とは
誰かの何かの問題を(他の方法よりも)解決しているもの
 
>基本的には。
(現代においては)安価で丈夫な記録手段。
捨ててもいいモノ(ティッシュペーパー)
 
>伝達手段(+文字や絵と絡めて)
著者が必要だと思うことを丈夫に残す方法
(読む人からみれば、過去と対話する方法)
+そして(デジタルデータよりは)なかなか丈夫で破壊も改ざんもしにくい。
 
>他の有用な用途
トイレットペーパー、形代
*捨ててもいいもの。
 
>思い出
駄菓子屋の紙袋の匂い
 
>つまりは
大切だけど、かけがえのないモノ「ではない」もの。
*本もチリ紙も絵画もお金も…
 
ー--
 
思考の可視化,伝達,記録が簡便。筆記用具(鉛筆,ペン,クレヨン,絵の具,墨など)との相性の良さ。
場所にとらわれず見る読む書くできる。記録されたもの(書籍,文書等)に追記,メモ,識別表示等が容易にできる。
目的に合わせて形状を変化,保存させることができる(折り紙など)。
焼却処理できる。
汚れを拭き取れる。
繰り返し再処理,リサイクルにより再利用ができる。
目的に合わせて容易に形状を変化させることができる(折る,切る,丸める)。
光の透視を和らげたり目隠し効果(障子,ふすま,屏風)。
たたくことで音が出せる(ハリセン)。・・・多様性のある材料と言える。
 
ー--
 
【ファシリテーター 山田】
「紙」の価値ってなんだろう?
紙の価値とは「誰でも使える・軽い・白い」ことだと思う。
「誰でも使う」ことができるので、どんなものにも形を変えることができ、たくさんの用途が存在する。
「軽い」から持ち運びしやすい。
「白い」からどんな色にも代えることができ、自分オリジナルの模様にすることもできる。
この3つこそ、「紙」の価値だと思う。
 
「紙」の中でも、和紙は肌触りなどもよく、丈夫であるため、今後利用する機会が増えると考えられる。
「紙」の価値を考えるうえで重要なポイント
終わると捨てられてしまう「パンフレット」
→これに価値が残り続ければ、資源の削減につながる。
これの価値は「持ちやすい・軽い」であると思う
 
ー--
 

ファシリテーターより

「紙の価値」ということで、皆で考え深く話し合っていきました。
「紙」は身近に多く存在しているため、多くの人は、当たり前のように紙を使っています。
そんな「紙」ですが、今では家具やクリアファイルなど、今まで紙で作られなかったものが紙で作られるケースが増えてきました。
今回の探究では、そんな「紙」の価値について改めて考えることで、今までにない視点で、新たな紙の使用法を考えることができると考えました。
実際、今回の探究の中でも、多くの意見により、「紙」の価値を再発見することができたと思います。
 
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。
 
次回は
8月19日(金)19:30~21:00
テーマは「国歌」
を予定しています。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!
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