この記事の著者
木原 吉隆
ステップアップスタディサロン 主任コーチ
大手個別塾で7年間講師を経験後、当時の教室長とともに独立。オンライン学習コーチングの塾で、日々生徒の目標達成と成長に携わる。
お子さんが
自分で勉強する子になる

子どもがテスト前なのに勉強しない
机に向かっても、続かない
お子さんの勉強のことで、そのようにお悩みではありませんか?
見守ってあげた方がいいかも…
とは思いつつ、ついつい
勉強しなさい!
と言ってしまい、喧嘩になる。塾ではそういったご相談をよくいただきます。
お子さんが自ら机に向かい、勉強が続くようになるには、
モチベーションと目標設定
がカギとなります。
そこで今回は、これらのキーワードに着目しつつ、お子さんのやる気を引き出すための関わり方のポイントをご紹介いたします。
ぜひ日頃の関わりに活かしてみてください!
この記事のポイント
1,お子さんの動機付けを理解しよう
2,頑張ったらギリギリできそうな目標を立てよう
モチベーションとは何か?
モチベーションとは、簡単に言えば行動を起こす理由のこと。動機付けとも言います。大きく分けて2種類の動機付けがあります。
1,外発的動機付け
1つ目は外発的動機付け
- 褒められたい
- お小遣いが欲しい
等々、外から与えられる報酬によって動く動機付けです。精神的に幼いうちはこの外発的動機付けによって行動することが多くなります。
2,内発的動機付け
2つ目は内発的動機付け
- こんな自分になりたい
- これを達成したい
- 楽しい!
等々、自身の内面にあるものによって行動する動機付けです。精神的に成長していくと、徐々に外発的動機付けの割合が減っていき、内発的動機付けの割合が増えていきます。
動機付けを意識した関わりを
つまり、簡単い言えば、お子さんのやる気を引き出すためには、お子さんの「○○したい」「こうなりたい」を理解してあげることが大切です。具体的には、例えば以下のような関わりが考えられます。
「褒められたい」
お子さんに対して
「今日も頑張ったね」と声をかけてあげる
「おもちゃが欲しい」
お子さんに対して
勉強を頑張ったら買ってあげる約束をする。
「テストで良い点を取れるようになりたい」
お子さんに対して
相談に乗ってあげる
話を聞いてあげる
意志を尊重し応援する
勉強時にそっとお茶を出してあげる
…etc
理想は内発的動機付け
お子さんのやる気を引き出すためには、現在のお子さんの動機付けに合った関わりが必要です。ここで1つ意識していただきたいのが
最終的に内発的動機付けによって行動する状態を目指す
ということです。
例えば小学生のお子さんは、
- 褒められて嬉しい、楽しいという感情
- 勉強を頑張ったご褒美
によってやる気を維持できるかもしれません。
しかし精神的に成長し、自我が芽生えると、それだけで頑張り続けるのは難しくなっていきます。自立し、高い目標を持って頑張り続けるためには、内発的動機付けが欠かせません。
目標設定
モチベーションを維持するために重要なのは、適切な目標設定です。
成功率50%の難易度で
目標設定のコツは
「本気で頑張ればギリギリ届きそう」
な難易度に調整することです。大人から見ると簡単すぎるように思うこともあるかもしれませんが、大事なのはお子さんご自身がどう感じるか、です。
テストで30点の子の場合
- 次は100点満点! △
難しすぎると、途中で諦めてしまうかも… - 次は35点 △
きっと達成できることでしょう。ですが、簡単すぎてもやる気にはつながりません。 - 次は60点を取る ◎
「本気で頑張れば何とか達成できそう」な目標が、最もモチベーションにつながります。
全く勉強習慣がない子の場合
- 1日3時間勉強する! △
- まずは1日1時間勉強する! ◎
まずは1週間くらい、続けられるか見てみると良いでしょう。
目標や日々の計画について、自分で考えられる子もいれば、ある程度答えを与えてあげることが必要な子もいます。このあたりは年齢や学年、より本質的にはお子さんご自身の成熟度や経験も踏まえ、様子をよく見て見極める必要があります。
第三者に関わってもらう
立てた目標を達成するためには、
- 具体的な計画立て
- 状況に応じた適切な関わり
などが必要です。
- お子さんのできること・できないことを見極め
- 時に自分でやらせてみて
- 時にヒントや答えを提供したりしながら
- 上手にゴールまで導いてあげること
また
- やる気の出来る言葉がけや仕掛けをしたり
- 目標達成の妨げとなる課題を解決してあげること
と、関わる際のコツは多岐にわたります。関わる大人自身がやる気を妨げる原因になってしまわないようにも気を付けなければなりません。
しかし、反抗期や、すぐ喧嘩になってしまうなど、親子であるが故のコミュニケーションのも難しさもあるかと思います。そのような場合には親以外の大人に関わってもらうことも有効な手段の1つです。実際、塾では本音を言いやすい、親御さんがびっくりするくらい先生の前では素直、というケースはよく見かけます。
もし、
こうした繊細なかつ持続的な関わりは難しそう…
ということであれば、1度プロに相談してみるのも良いかもしれません。